
中学生になったら、
今度こそサッカー部に入る。
小学校で果たせなかった思いを、
ようやく叶えられる。
そんな気持ちで、
中学校へ入学しました。
部活見学では、
グラウンドでボールを追いかける先輩たちを見ながら、
「よし、サッカー部に入ろう」と心は決まっていました。
ところが、部活を決める頃になると、
その気持ちは大きく揺らぎます。
当時の学校には、
今では考えられないような空気がありました。
入学して間もない頃、
僕自身も怖い思いをしました。
学校中に広がる噂や先輩たちへの恐怖。
サッカー部にも、
その空気を感じていました。
親にも相談できませんでした。
先生にも相談できませんでした。
誰にも話せず、
一人で考え、一人で決めた答えがありました。
「サッカー部には入らない。」
あの頃の僕は、怖かった。
今振り返れば、
「逃げた」と思う自分もいます。
でも、あの時の13歳の僕には、
その選択を変える勇気はありませんでした。
サッカー部には入れませんでしたが、
僕はソフトテニス部を選びました。
「テニスかぁ。よし、頑張るぞ。」
そう気持ちを切り替えたことを覚えています。
そして、一度選んだ以上は中途半端にはやりたくありませんでした。
ユニフォームに袖を通した日も、
「早く試合がしたい。勝ちたい。」
そんな気持ちでいっぱいでした。
相手の動きを読んで決めるボレー。
サービスエースが決まった瞬間の爽快感。
ペアと作戦を考え、
それがうまくはまって勝てた試合。
サッカーとは違う面白さが、
そこにはありました。
結果として、
中学では都大会へ。
高校では全国大会まで出場することができました。
「あの時、テニスを選んだから今がある。」
そう思える自分もいます。

それでも、
サッカーは僕の人生から消えませんでした。
テニスコートのすぐ近くでは、
サッカー部が練習しています。
ボールを蹴る音。
仲間を呼ぶ声。
練習の様子。
全部、聞こえてきます。
試合結果も、
なんとなく気になっていました。
でも、不思議と後悔ばかりではありませんでした。
テニスの練習が始まれば、
その時間はテニスに夢中。
目の前のことに全力で向き合う。
それが僕らしいやり方だったのだと思います。
でも体育の時間にサッカーが始まれば、
部活なんて関係ありません。
思い切りボールを蹴る。
友達と笑いながらプレーする。
それは、小学生の頃と何も変わりませんでした。
高校へ進んでからも、
時間があればサッカーボールを蹴っていました。
フリーキックを練習したり、シュートを打ったり。
サッカーは、いつも僕のすぐそばにありました。
大人になってから、
ふと思うことがあります。
「あの時、サッカー部へ入っていたらどうなっていただろう。」
運動は得意な方でした。
だから少しだけ、
そんな想像をすることがあります。
でも、その一方で思うこともあります。
テニスを本気でやったからこそ出会えた仲間がいて、
経験があって、今の自分があります。
だから、どちらが正解だったかを考えても答えは出ません。
人生は、一つの選択だけで決まるものではないからです。
もし今、13歳の僕に会えるなら、
こんな会話をしてみたい。
「まだサッカー好きなの?」
「うん。」
「サッカー部に入れなかったのに?」
「うん。」
「なんで?」
「好きだから。」
「それにね。」
「また、チャレンジできたよ。」
社会人になってフットサルを始めました。
子どもたちとスタジアムへ行くようになりました。
そして今は、
こうしてサッカーの記事を書いています。
部活という形では叶わなかった夢も、
違う形で人生につながっていました。
💭 今日のサッカーとのつながり
誰にでも、
「あの時、違う選択をしていたら」と思う出来事があるかもしれません。
でも、その頃の自分は、
その頃の自分なりに一生懸命考えて、その道を選びました。
だから、昔の自分を責めるのではなく、
少しだけ昔の自分の話を聞いてあげてください。
そして、本当に好きなものがあるなら大丈夫です。
形は変わっても、
その「好き」は人生のどこかで、またあなたの前に現れてくれます。
サッカーは、人生のそばにある。


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