高校生活は、テニス一色でした。
サッカー部には入れませんでした。
それでも、「何かを本気でやりたい」という気持ちは、
どこにも消えていませんでした。
中学から始めたソフトテニス。
高校へ進学した頃には、
「やるなら本気でやろう」という気持ちは、
すっかり自分の中に根付いていました。
高校に入っても、
一年生の頃はボール拾いが中心でした。
早くコートに立ちたい。
先輩たちのようにプレーしたい。
そんな思いで、
毎日ボールを追いかけていました。
そしてコートで練習できるようになると、
今度は暗くなるまでラケットを振り続けます。
ラリーでも。
ゲーム形式の練習でも。
一本でも多く打ちたい。
少しでも上手くなりたい。
そんな気持ちしかありませんでした。
夕暮れになると、
顧問の先生の声が飛んできます。
「もうボール見えないだろー!終わりにしろー!」
「はーい!」
元気よく返事はします。
……でも、やめません(笑)。
ラリーの途中なら、
その一本が終わるまで。
ゲーム形式なら、
そのゲームが終わるまで。
そして、
本当にボールが見えなくなった頃、
先生からもう一度。
「だから、まだやってるじゃないか!(笑)」
「はい!(笑)」
ようやく練習を終えると、
今度はみんなでダッシュ。
ネットを片付け、
ボールを集め、最後はブラシがけ。
気が付けば、
辺りはすっかり暗くなっていました。
でも、不思議と疲れたという記憶はありません。
ただ、テニスが好きでした。

部室へ入る時は、
決まってこうでした。
「ちわーっす!」
すると先輩たちが笑いながら、
「よし、座れ。」
最初は少し緊張していたはずなのに、
気が付けばテニスの話や何気ない話で盛り上がり、
「よし、練習行くぞ!」とコートへ向かう毎日。
中学生の頃、
先輩という存在に怖さを感じていた僕が、
高校では先輩たちと笑い合っていました。
人生って、本当に分からないものです。

テニスの面白さは、
力だけではありません。
相手の動きを読む。
次の一球を考える。
ペアと組み立てる。
ポーチボレーからスマッシュが決まる。
サーブから前へ出てボレーで決める。
読みが当たり、
作戦がはまった時の気持ちよさは、
今でも忘れられません。
振り返ると、
小学生の頃に夢見ていた「ファンタジスタ」のプレーと、
どこか重なるものがあったのかもしれません。
相手より一歩先を読む。
仲間と呼吸を合わせる。
競技は違っても、
僕が夢中になっていたものは変わりませんでした。
努力は、少しずつ結果につながっていきました。
関東大会。
勝てば全国大会。
試合が終わり、
全国大会出場が決まった瞬間。
僕は隣にいた先輩と、
静かに握手を交わしました。
周りでは監督やOB、
応援に来てくれた仲間たちが大喜びしています。
でも、不思議なくらい僕は冷静でした。
「やっとここまで来た。」
そんな気持ちだったのかもしれません。

全国大会では、
一回戦で敗れました。
もちろん悔しさはありました。
でも、それ以上に強く感じたのは、
「準備が足りなかった。」
ということでした。
全国という舞台は、立ってみなければ分からないことばかりでした。
だからこそ、
あの経験は負け以上の財産になりました。
何事も、経験しないと分からないことが多い。
あの日の全国大会は、
勝敗以上に大切なことを教えてくれました。
そのことを、
高校生の僕は初めて知りました。
先輩たちが卒業すると、
僕は部長になりました。
「部を一つにまとめたい。」
「みんなで強くなりたい。」
「結果を残したい。」
そんな思いで部を引っ張りました。
練習は厳しく。
でも、オフは楽しく。
それが僕なりの部づくりでした。
うまくできていたかは分かりません。
それでも卒業まで、
「後輩たちをしっかり育てたい。」
その気持ちだけは変わりませんでした。
卒業してから練習に顔を出した時、
「先輩、一緒に打ちましょうよ!」
と後輩たちから声を掛けてもらえたことがあります。
あの一言は、部長として過ごした時間への、
小さなご褒美だったような気がしています。
毎日が真剣でした。
でも、毎日が楽しかった。
ラリーをしていると、
向こうのコートだけ雨が降っている。
「おーい!こっち雨だよ!」
「え?こっちは降ってないよ?」
本当にそんなことがありました。
今思い返しても、不思議なくらい局地的な雨でした。
でも、そんな他愛もない出来事で笑い合える時間が、
青春だったのだと思います。

卒業の日。
ラケットを置くことに未練はありませんでした。
「中学から始めたテニスという種目で、なんとかやり切ったな。」
そんな気持ちでした。
サッカーを思い続けた少年は、
テニスにも本気で青春を注いでいました。
だから今、胸を張って言えます。
夢中になった時間は、
一つも無駄にならない。
あの頃、
本気で過ごした毎日が、
今の僕をつくってくれました。
💭 今日のサッカーとのつながり
学生時代を振り返ると、
思い出すのは優勝した試合や大きな大会だけではありません。
暗くなるまで練習した夕暮れのコート。
部室で笑い合った時間。
仲間と一緒にブラシをかけながら帰った景色。
そんな何気ない毎日こそ、
何年たっても心に残るものです。
今、夢中になれるものがあるなら、
その時間を大切にしてください。
いつか振り返った時、
それはきっと人生の宝物になっています。
サッカーは、人生のそばにある。

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